土地の境界 筆界と境界

土地の境界とよく言いますが、我々土地家屋調査士はこの境界を、公法上の境界(筆界)と私法上の境界(所有権界や占有界等)に分けて扱います
「筆界」とは、土地毎に付した地番と地番の境のことです。法務局で取り扱っている「境界」は、全て「筆界」です。土地の登記記録(登記簿)に載っている地積(面積)は、筆界で区画された一筆の土地の面積です。法務局にある、地図や公図、地積測量図に表されている境界線も、全て「筆界」です
「所有権界」とは、所有権と所有権の境のことで、隣接地の所有者間で合意された境界線です。(所有権に基づき隣接当事者間で合意された境界)一般に「境界」と言っているのは、「所有権界」のことです
「占有界」とは、所有権とは関係なく、占有の事実、実際に塀や建物などを建てて使用している、見た目によって形成されている境界です。なので、塀や建物が筆界を超えて隣地や道路にはみ出している、などといったこともあります

参考法令を以下に抜粋します
不動産登記法(平成16年6月18日法律第123号)最終改正年月日:平成28年5月27日法律第51号
第123条第1項第1号
筆界 表題登記がある一筆の土地(以下単に「一筆の土地」という。)とこれに隣接する他の土地(表題登記がない土地を含む。以下同じ。)との間において、当該一筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた二以上の点及びこれらを結ぶ直線をいう。
第132条第1項第5号
申請が対象土地の所有権の境界の特定その他筆界特定以外の事項を目的とするものと認められるとき。
第135条第2項
筆界調査委員は、前項の事実の調査に当たっては、筆界特定が対象土地の所有権の境界の特定を目的とするものでないことに留意しなければならない
地籍調査作業規程準則(昭和32年10月24日総理府令第71号)最終改正年月日:平成28年4月12日国土交通省令第42号
第3条第1項第2号
一筆地調査に基いて行う毎筆の土地の境界(以下「筆界」という。)の測量(以下「地籍測量」という。)